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久保 博孝; 竹永 秀信; 杉江 達夫; 東島 智; 鈴木 慎悟*; 清水 勝宏; 逆井 章; 細金 延幸
24th EPS Conf. on Controlled Fusion and Plasma Physics, 21A(2), p.509 - 512, 1997/00
JT-60Uのダイバータ領域において、D線とHe Iのスペクトル線のドップラー広がりを観測することによって、重水素原子及びヘリウム原子の速度分布を調べ、以下のことを明らかにした。ダイバータ板に到達した重水素イオンは、主に重水素分子として再放出され、水素原子として反射する過程は重要ではない。フランク・コンドン原子のエネルギーは低温領域ではおおきくなる。このことは今までのモデルでは説明できない。ヘリウム・イオンの反射は、ヘリウムのリサイクリング過程として重要ではない。低温領域では、ヘリウム原子のエネルギーは増加し、1eV程度になる。これは、重水素イオンとの弾性衝突が原因と考えられる。ヘリウム原子が、このようなエネルギーを持つことは、ヘリウム輸送に大きな影響を与える。
杉原 正芳; Federici, G.*; C.Grisolia*; P.Ghendrih*; T.Loarer*; 中村 博雄; Y.Igitkhanov*; G.Janeschitz*; G.W.Pacher*; H.D.Pacher*; et al.
24th EPS Conf. on Controlled Fusion and Plasma Physics, 21A, p.997 - 1000, 1997/00
トカマクの第一壁、リミタ、ダイバータ板による粒子排気及び脱ガスによる粒子供給のモデル化を行った。対象となる壁の材料はCFC等の炭素材及びBeW等の金属材である。材料中への粒子拡散効果やスパッタ粒子の再付着に伴う粒子吸着の効果も取り入れている。このモデルをTore SupraやJT-60プラズマの密度の時間的振舞いに適用し、うまく再現できることを示した。さらにITERへ適用し、壁への粒子吸着量や必要粒子供給能力の評価を行った。
河野 康則; 芳野 隆治; 閨谷 譲; 近藤 貴; 伊世井 宣明; 石田 真一; 飛田 健次; 波多江 仰紀; 伊丹 潔; 逆井 章; et al.
24th EPS Conf. on Controlled Fusion and Plasma Physics, 21A, p.501 - 504, 1997/00
急速放電停止時における逃走電子の発生を抑制できることを実験的に示した。電流クエンチ時の大きな一周電圧により加速される電子が、逃走電子まで加速される前に大きな磁場揺動で排出されることがわかった。磁場揺動は外部ヘリカル磁場コイルの励磁により増大させることができた。典型的な値として、径方向のn=1モード磁場揺動値;Bが~18ガウス(あるいはそのトロイダル磁場との比;B/Bが~0.07%以上)あれば、電流クエンチ率;dI/dtが-100MA/sのときでも逃走電子発生は抑制される。
草間 義紀; 及川 聡洋; 根本 正博; 藤田 隆明; 内藤 磨; 飛田 健次; 鎌田 裕; 牛草 健吉; 栗山 正明; Forest, C. B.*; et al.
24th EPS Conf. on Controlled Fusion and Plasma Physics, 21A, p.513 - 516, 1997/00
JT-60Uプラズマの中心部での加熱と電流駆動を目的に導入された負イオン源中性粒子ビーム(NNB)を用いた実験の進展について報告する。(1)モーショナルシュタルク分光(MSE)計測により、NNBによって駆動されたプラズマ電流分布を初めて測定することに成功した。測定された分布はACCOMEコードを用いた理論的な予測とおおむね一致することを確認した。(2)周波数の高いアルヴェン固有モード(EAE)に対して、NNBイオンに安定化効果が有ることが確認された。(3)NNBのプラズマ中でのイオン化断面積の増大が評価された。(4)以上のNNB入射実験とともにNNBの性能も大幅に向上し、1イオン源当り3.2MW(350kV)の入射に成功して、今後の高パワー化に見通しを得ることができた。
川島 寿人; 仙石 盛夫; 小川 俊英; 小川 宏明
Europhysics Conference Abstracts, 21A(2), p.705 - 708, 1997/00
JFT-2Mでは、高閉じ込め主プラズマ(例:Hモード)を維持しつつダイバータ部を低温かつ高密度にするため閉ダイバータ化を行った。現在の構造は二度の改造を経てより閉じた形状をしている。この形状ではダイバータ部に熱粒子束を集中させるためのプラズマ制御が厳格になる一方、中性粒子の逆流や不純物発生が抑制されるバッフル効果を示した。Hモード中に強力なDガスパフを行うことにより、ダイバータ部の低温化・高密度化を観測した。4Pam/sガスパフすると中性粒子圧力は10から40mPa,ダイバータ電子密度は0.6から310mまで増大し、温度は26から6eVに減少した。このような低温高密度化は不十分な閉ダイバータや開ダイバータでは観測されなかった。UEDA-codeによるシミュレーション計算結果もまた、現在の閉ダイバータ構造での強い中性粒子ビルドアップ、低温化、高密度化を示した。
藤田 隆明; JT-60チーム
Plasma Physics and Controlled Fusion, 39(SUPPL.12B), p.B75 - B90, 1997/00
被引用回数:31 パーセンタイル:69.48(Physics, Fluids & Plasmas)定常トカマク型核融合炉の実現のためには、高閉じ込め、高ベータ、高自発電流割合のプラズマを、完全電流駆動及び放射冷却ダイバータの条件で維持する必要がある。JT-60Uではこの目標を達成するための広範囲な研究が行われている。負磁気シアー配位は、高自発電流割合において自然に形成される分布であるので、定常炉の標準的な運転方式と考えられている。JT-60Uの負磁気シアー放電においては、プラズマ電流の増大により大幅な性能の向上を得た。小半径の70%に及ぶ内部輸送障壁の形成により、周辺部がLモードで3倍を超える閉じ込め改善を得た。大きな半径の輸送障壁を保ちつつプラズマ電流を増大し、2.8MAにて等価DTエネルギー増倍率1を達成した。この高性能放電はqの極小値が2となったときにコラプスするが、自発電流や低域混成波電流駆動により負磁気シアー配位を定常的に維持することにも成功している。
前田 満*; 上原 和也; 雨宮 宏*
Proc. of 24th European Physical Society Conf. on Controlled Fusion and Plasma Physics, 21A, p.709 - 712, 1997/00
トカマク周辺領域では、プラズマ輸送に対してイオン温度は重要な因子となる。われわれはこれまでJFT-2Mにおいて、おもに非対称ダブルプローブ法により周辺プラズマの温度計測を行ってきた結果、イオン温度が電子温度よりも上回ることを明らかにした。本方法は、非対称ダブルプローブを磁場中で回転させプローブ円筒軸が磁力線に平行になった位相での両電極のイオン飽和電流の比からイオン温度を求めるものである。今回、位相が垂直になった場合のデータを解析することによって、周辺プラズマのイオンの流れに関する知見が得られ、プラズマ流速の計測にも適用範囲を拡張できた。このようなプラズマの流れはその程度に依存してイオン輸送や周辺プラズマに影響を与えることが予想され、周辺プラズマの解明に役立つものと考えられる。
玉井 広史; 木島 滋; 朝倉 伸幸; 伊丹 潔; 逆井 章; 細金 延幸; 東島 智; JT-60チーム
Proc. of 24th European Physical Society Conf. on Controlled Fusion and Plasma Physics, 21A, p.493 - 496, 1997/00
JT-60Uの放射冷却ダイバータプラズマにおいて、放射冷却のためにパフするガスの種類を変えてダイバータ放射損失量を比較した。冷却効率もリサイクリング率も高いネオンを用いた場合、最も少ないパフ量でダイバータ放出損失量を高めることができたが、同時に主プラズマ領域へのネオンの流入による主プラズマの放射損失の増大が観測された。通常シアのELM付Hモードでは、ダイバータ領域での放射損失増加に伴い分布のピークはX点の方向に移動し、やがてMARFEの発生による周辺プラズマの不安定性をもたらす。一方、逆転シア配位では、分布のピークがX点を越えてセパラトリクスの内側まで移動した状態でダイバータ放射損失量の高い状態で安定に維持される。一方、閉じ込めの改善度はダイバータ放射冷却の増加とともにいずれの配位でも劣化しており、改造ダイバータの重要課題の一つとして解明が期待される。
山極 満; Koga, J. K.; 石田 真一
Proc. of 24th European Physical Society Conf. on Controlled Fusion and Plasma Physics, 21A, p.517 - 520, 1997/00
JT-60Uトカマクでは、エネルギー90keVビーム入射により炭素不純物温度の計測値として45keVが得られたが、このような高イオン温度プラズマにおける主プラズマイオン(重水素)温度を評価するために、非線形フォッカープランクコードを適用した。その結果、重水素のバルク温度は炭素温度を上回ること、従って、不純物温度計測はイオン温度に関して過大評価とならないことを見いだした。一方、重水素速度分布関数の平均エネルギーに基づく実効イオン温度は炭素温度にほぼ等しくなること、及び、重水素-重水素核融合反応特性が炭素温度のマクスウェル分布によって与えられる値にほぼ一致することより、炭素温度を等価的なイオン温度とみなせることを示した。
Neudatchin, S. V.*; 白井 浩; 滝塚 知典; 藤田 隆明; 竹治 智; 伊世井 宣明; 石田 真一; 鎌田 裕
Proc. of 24th European Physical Society Conf. on Controlled Fusion and Plasma Physics, 21A, p.497 - 500, 1997/00
JT-60Uの通常磁気シア及び反転磁気シアプラズマにおける内部輸送障壁(ITB)形成時の局所熱輸送解析を行った。ITBの幅は狭いため、ITB内部には電子温度及びイオン温度の測定点が1ないし2点しか存在しない。このためITB内部の熱拡散係数Xの評価は大きな誤差を伴っていた。本研究では、プラズマを主半径方向に時間とともに移動させる際の、温度測定点がITBを横切る移動に着目したXの評価法を確立し、ITB内部のXは外部領域の1/10程度であることを明らかにした。またITBの境界の位置を従来より精度よく同定した。
飛田 健次; 濱松 清隆; 原野 英樹*; 西谷 健夫; 谷 啓二; 草間 義紀; 滝塚 知典; S.Putvinski*
Proc. of 24th European Physical Society Conf. on Controlled Fusion and Plasma Physics, 21A, p.717 - 720, 1997/00
負磁気シアプラズマでは通常磁気シアに比べ高速イオンの粒子損失が多いことを明らかにした。粒子損失はトロイダル磁場のリップルとともに増大することから、リップル輸送が粒子損失の原因となっていることが示唆される。軌道追跡モンテカルロコードを用いたシミュレーションの結果は実験結果に一致し、リップル輸送が粒子損失を引き起こしていることを裏づける。このコードを用いてITERの負磁気シア運転におけるアルファ粒子損失を評価した。この結果、アルファ粒子損失は25%程度となり、このときの第一壁への熱負荷は最大3.7MW/mに達する。ITERの真空容器に磁性体を装着すると最大熱負荷は1MW/mまで下がり、第一壁の熱負荷限界(5MW/m)を十分下回ることがわかった。